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新たなプレイヤーが日本酒の未来をつくる

日本酒の魅力を通して、世界中の皆様に豊かな体験を届ける。
これは、日本酒産業に関わる人が抱く共通の想いです。

この想いを実現するために、産業全体でできることは何でしょうか。
いくつもの回答を考えることができますが、私は、その一つに「新規参入を増やすこと」があると思っています。

多様なバックグランドを持つ人たちが日本酒産業に関わることで、これまでになかった新しい日本酒の価値を、さまざまなアプローチで届けることができるはず。

今日のIT産業が大きな発展を遂げている背景には、玉石混交ではあるものの、新しいプレイヤーの数が圧倒的に多いことが要因のひとつでしょう。しかし、現在の日本酒産業では、この新規参入には大きな壁があるのです。

メーカーとして日本酒造りを始めるには、清酒を製造するための免許が必要になります。この免許を取得するには、酒税法によって定められた、製造場ごとの年間製造量の最低基準を満たさなければなりません。清酒の場合は、年間60キロリットル以上(約330石=一升瓶換算で約33,000本)です。

ワインやウイスキーなどの年間6キロリットルと比べて、10倍の製造量が求められます。相当高いハードルです。

また酒税法には、「需給調整」といって、買い手と造り手の需給のバランスを維持するために、新規製造免許を交付しないという判断が認められています。ビール、ワイン、ウイスキーなどは需給調整をせずに新しい製造免許が交付されていますが、日本酒は新規の交付が行なわれていません。市場が縮小している中で新規参入を認めると、供給過剰になってしまうという理由です。

しかし本来は、市場が縮小しているからこそ、産業を活性化させるために新規参入を増やしていくべきですし、そうした新しい刺激こそがこの産業にとって必要なことだと思うのです。この状況をどのように改善していくのか。これは私たちにとっても大きなテーマです。

近年では、輸出に限定した日本酒の製造であれば新規免許の交付が認められるなど、酒税法も時代に合わせて変化してきています。近い将来、新規参入への規制がいっそう緩和され、多くの人が日本酒産業に進出してくることでしょう。

創業数百年という酒蔵が多くあるこの日本酒産業において、2018年に創業したSAKE HUNDREDも、ラグジュアリー市場に挑戦する新しいブランドとして注目していただいています。私たちも含めた新たなプレイヤーが、どんな新しい価値をつくれるか、どんな新しい未来を見せられるか。それが、産業発展のカギになるでしょう。

SAKE HUNDREDも世界の最前線で、お客様の幸福に貢献できるよう、これからも新しい価値の創出に向けて取り組んで参ります。

2023/04/14

SAKE HUNDRED
Founder
生駒龍史

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