“逆輸入ブランド”を目指さない
SAKE HUNDREDは、日本酒の魅力を世界に広げることを目指して、常にグローバル市場を見据えています。
そんな我々に対して、次のようなアドバイスをいただくことがあります。
「まずはニューヨークやパリなどの海外で実績をつくり、逆輸入ブランドとして、日本に売り込んだらどうか」
確かに、この意見には一理あります。特に新興のブランドは、海外での実績があったほうが日本国内でも評価されやすく、こうした逆輸入の戦略は多くの企業が取り入れています。
しかしSAKE HUNDREDは、少なくとも創業から数年は「輸出に力を入れない」ということを決めていました。
まずは、日本酒の発祥の地である日本で高く評価されること。
これが、日本酒ブランドとして世界に進出する時にもっとも重要だと考えていたからです。
日本酒におけるホームである日本での評価がないままでは、海外に出ていっても、現地の方々には評価されません。日本で売れないから海外にやってきたんだと、一蹴されてしまうでしょう。
当たり前ですが、日本国内では言語のハードルはありません。また1日もあれば、日本中のどこへでも営業に行くことができます。お客様に直接お会いして、しっかりと商品の説明をすることができます。
つまり、もっとも実績を出しやすいのは、ホームである日本のはずなのです。
実際、SAKE HUNDREDを創業したころに、各地のディストリビューターや海外輸出の関係者にヒアリングをしましたが、まったく興味を持っていただけませんでした。しかし、国内売上が一定の水準を超えたあたりから、海外輸出に関する問い合わせが増えてきたのです。
創業から5年が経った今も、事業の軸足は日本にありますが、今後は徐々に海外進出していく予定です。
しかし、もし世界中に販路が広がっていったとしても、いつまでも日本で高く評価されるブランドでありたいという想いは変わりません。