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安堵ではなく、緊張感とともに締めくくる2025年

2025年が、終わろうとしています。
この一年も本当に多くのご支援をいただき、心より感謝申し上げます。今年は、海外4エリアへの本格進出や月商3億円の達成など、ブランドとしての成長が具体的な成果として現れた一年でした。

一方で、いまの感情は「安心」や「達成感」よりも「緊張感」に近いものがあります。やるべきことをやり切ったという実感はありますが、年内にお届けすべき商品がまだあり、その到着を待ってくださっているお客様がいる限り、安堵することはできません。私にとって年の区切りとは、自分の仕事が終わる瞬間ではなく、お客様のもとに価値を届け切れたかどうかで決まるものなのだと、改めて感じています。

さらに、全国のパートナー酒蔵では、年末年始に関係なく酒造りが続きます。その現場が休むことなく動いている以上、私たちだけが完全に気を抜くということはできません。その時間軸の中に身を置いていることも、いま感じている緊張感の理由の一つです。

2025年を一言で表すなら「突破」

2025年を一言で表すなら、「突破」という言葉が最もしっくりきます。
これまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。コロナ前後で大きく市場環境が変化し、銀座への出店を見送ったり、発売直前で商品のリリースを取りやめたり、事業の伸び悩みにもどかしさを感じる時期もありました。

そうした時間を経て迎えた2025年は、じりじりと成長を続けるフェーズを抜け、次のステージに足を踏み入れた一年だったと感じています。ただし、それは何かを成し遂げたというよりも、乗り越えるべき壁が大きくなって現れた、というフェーズの変化に近い感覚。一つの局面を越えた、という意味での「突破」です。

今年は海外での活動が多く、日本酒が世界ではまだ黎明期にあることを、現場で何度も実感しました。ほとんど知られておらず、飲まれてもいない。その現実を前に、ようやく第一ステージを突破したに過ぎないと痛感したとともに、ここからさらに世界へ進んでいかなければならないという思いが、自然と強くなっていきました。

世界は甘くない。それでも進む

2025年は、タイ、オーストラリア、香港、台湾など、海外での活動が本格化した一年でもありました。私たちにとって海外展開は、売上や露出だけを目的としたものではありません。日本酒を通じてお客様の幸福に貢献すること。その価値を、国や文化を越えて届けていくことこそが、SAKE HUNDREDの目指す姿です。

海外では、さまざまなイベントやペアリングディナーで商品を提供してきました。そこで何度も目にしたのは、日本酒を口にしたお客様が「美味しい」「楽しい」「素敵だね」と自然と笑顔になる瞬間です。世界のお客様が、日本酒を通じて幸福な時間を過ごしている。その光景を見るたびに、こうした一つひとつの積み重ねが、ビジョンの実現につながり、日本酒のプレゼンスを高めていくのだという手応えを感じました。

また、ヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭、大阪・関西万博のイタリアパビリオンへの公式スポンサーといった機会にも関わりました。そうした晴れやかな舞台に立つたびに、こうした場にこそ日本酒は立つべきなのだ、という感覚を強く持ちました。海外のお酒ではなく、日本酒が自然に選ばれる世界。その景色は、背伸びではなく「正しい場所に立っている」という実感として受け止めています。

一方で、海外での活動を通じて、日本酒がまだ十分に理解されていないという現実も突きつけられました。ここで言う「認知」とは、単に名前が知られていないという意味ではありません。保存や管理、適切な飲み方など、日本では当たり前とされている知識が、海外ではほとんど共有されていない。日本の常識が通用しない場面に、何度も直面しました。それでもなお、日本酒には、人の心を満たし、幸福な時間を生み出す力がある。その確信こそが、迷いなく前に進む理由になっています。

月商3億円が教えてくれた、日本酒の可能性

2025年には、月間売上が過去最高となる3億円に到達しました。

多くの酒蔵の年間売上が5億円以下であることを踏まえると、1か月で3億円の売上を達成したこと、しかもそれが、これまで市場がほとんど存在しなかった高級日本酒によるものであることは、日本酒の歴史においても特筆すべき成果だと言えるでしょう。

率直に嬉しさはありましたし、「SAKE HUNDRED、よくやった!」「高級日本酒には可能性がある!」と感じた瞬間でもあります。ただ、それ以上に強く心に残ったのは、日本酒そのものが持つ潜在的な力でした。

自分たちが特別なのではなく、日本酒には、まだ十分に開かれていない可能性がある。その一端を、ほんの小さな規模ではありますが、少しだけ示すことができた。その実感こそが、この数字の持つ一番の意味だったように思います。

私たちは以前から、自分たちの成果や失敗が、日本酒、とりわけ高級日本酒市場の未来として受け取られる立場にあるという自覚を持ってきました。もし私たちが失敗すれば、「高級日本酒はうまくいかない」と受け取られてしまうかもしれない。その責任感は今も昔も変わっていません。

売上が伸びるほど、期待される場面は確実に増えていきます。しかしそれを重荷だと感じたことはなく、その期待と責任を引き受けられる場所に立てたことを、前向きに受け止めています。

変わらない軸と、まだ見ぬ世界へ

日本酒を通じて人々の幸福に貢献し、「心を満たし、人生を彩る」そのブランドパーパスは、これからも変わることはありません。

最後にお伝えしたいのは、ありきたりですが、感謝の気持ちです。
お客様をはじめ、自分たち以外の誰かの存在があってこそ、私たちは存在し、挑戦を続けることができています。

そして、まだ誰も見たことのない世界は、これから先に広がっていきます。ぜひ、これからのSAKE HUNDREDにもご期待ください。2025年も、本当にありがとうございました。

2025/12/25

SAKE HUNDRED
Founder
生駒龍史

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