< 一覧に戻る

居心地の悪い場所にこそ、未来がある


日本酒の魅力を世界に広げていく。
このビジョンを掲げるということは、常に「日本酒を知らない人たち」に向けて語りかけることを意味します。
すでに日本酒を知ってくれているファンの方だけに語るのでもなく、気心の知れた仲間たちと酒談義を交わすことでもありません。ましてや、自分にとって居心地の良い場所にとどまり、自己満足に浸ることでもない。つまり、私は意識的に「居心地の悪い場所」に身を置き続けるようにしています。

日本酒を飲んだことがない。名前すら聞いたことがない。
そんな人々の前に立ち続け、アウェイな環境のなかで日本酒の魅力を伝え続ける。 それが、私のポリシーです。

10年以上前、私はスタートアップのピッチコンテストに参加しました。投資家の前で自分のビジネスプランを発表し、資金調達のきっかけをつくる場です。

当時、そこで日本酒の話をしていたのは私ひとり。会場に集まっていたのは、テクノロジーで世界を変えようとする起業家ばかりで、「なぜこの場に日本酒の人が?」という視線を、何度も浴びたのを覚えています。

けれど、時代は変わります。
いまでは、そうしたイベントに酒関連の企業が登壇することも珍しくありません。むしろ歓迎される空気すらあり、複数の酒ブランドが並ぶこともあります。その変化は素直に嬉しく、歓迎すべきことだと感じています。

ただ一方で、私は思うのです。 私の立つべき場所はそこではない、と。
私が身を置くべき場所は、常に「孤独」で「居心地の悪い場所」。 まだ誰も踏み込んでいない領域に足を踏み入れ、日本酒を知らない人たちに、その魅力をほんの少しでも届けていく。それこそが、私の役割だと信じています。

その一歩一歩が、日本酒の未来を切り拓くと信じて。
日本酒が持つ価値と可能性をより多くの人の手に届けるために、これからも市場の最前線で挑戦を続けていきます。

2025/04/30

SAKE HUNDRED
Founder
生駒龍史

このページをシェアする