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ブランドにおけるクリエイティブ—象徴性と思想の表現

お客様の心とブランドをつなぐ媒介

リブランディングにあたり、SAKE HUNDREDはあらゆるクリエイティブを刷新しました。

クリエイティブは、お客様の心とブランドを媒介するもの。 私たちの持つ世界観や、提供したい価値、目指す姿をお客様に理解していただくことが、クリエイティブの役割です。

シンプルに“おいしさ”だけを突き詰めるブランドであれば、クリエイティブはそのおいしさが伝わるものであればよいでしょう。 しかし、私たちが目指すブランドにおいては、“商品の魅力”だけでなく、 その裏にあるブランドの哲学や思想への共感や納得感が不可欠です。

それを視覚的にも表現し、お客様の心を動かす情緒的な価値をあらゆる接点で作っていかなければならない。 そのためには、すべてのクリエイティブを見直す必要があったのです。

ブランドを象徴する存在としての「ラベル」

私たちが最初に着手したのは「ラベル」です。

一般的にブランディングはロゴから作りはじめることが多いといわれます。 その中、SAKE HUNDREDがラベルを第一に選んだのは、ブランドのシンボリズム(象徴性)の観点からです。

ブランドにはそれぞれシンボルとなる要素が存在します。 ロゴはもちろん、モチーフ、柄や文様、アイコンとなる商品など、ブランドによってその種類は様々でしょう。 ですが、いずれも接する人々の記憶へ残る強さを持っている。 「見たことがある」「憧れていたものだ」という空気感や意識を生むうえで、シンボルが与える印象は重要です。

SAKE HUNDREDにおけるシンボルは、商品の顔であるラベルであると考えました。 お客様がブランドと接する機会が最も多いのは商品そのもの。 だからこそ、シンボルはロゴマークではなく「ラベル」だと考えました。

クリエイティブの刷新は、私たちが掲げるべき言葉やブランドとしての思想を明確にする議論と並行して進みました。 そのため、クリエイティブから思想が深まり、思想からクリエイティブが明確になるなど、 相互作用的に「クリエイティブ」と「ブランドイメージ」が明確になっていったのです。

エレガンスとクラフトのバランス感覚

ラベルをデザインするにあたり、キーワードとなったのが「エレガンス」です。 知的で洗練された—そうしたイメージをクリエイティブが纏うべきトーンに据えました。

その佇まいをラベルで表現するために、フォントの選び方や配置、線の太さ、余白など、ひとつひとつの要素を設計。 ラベル全体で見たとき、私たちの目指す“エレガンス”が感じられるかを考え抜きました。

全体の要素と、ラベル自体も線対称である菱形にして、ブランド名を中央に据えることで、堂々とした佇まいと自信を表しました。 また、この菱形には、磨かれたお米の姿と、日本で伝統的に縁起の良い文様とされる「吉祥文様」の意味を重ねています。

また、米の色であり、清酒の透明感を表現する「白」をブランドのキーカラーとして採用しています。 洗練された品格と日本の美意識が融合した、SAKE HUNDREDの新しい表現です。

ブランドは、育っていく。

クリエイティブを刷新したSAKE HUNDREDですが、この刷新はブランドとしてスタート地点に立ったに過ぎません。 ブランドはお客様とのコミュニケーションによって形づくられるものです。 ときには、お客様の体験やブランドの在り方が変化する場面があるかもしれません。 そうした積み重ねによって、ブランドは成長していくのです。

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